現在、日本における一般住宅用太陽光発電システムを導入済みの件数は、累計100万件以上というデータがあります。特に、補助金が復活して売電価格の引き上げが行われた2009年以降は急増しており、ここ数年では年間10万件を超えるペースとなっています。

ここまでの普及を遂げたのには、「エコでクリーンだから」「システムの価格が安くなったから」「国や自治体から補助金がでるから」「売電することで収入を得られるから」など、各世帯ごとにさまざまな理由があると思われます。しかしながら、導入を判断した最終的な理由は「メリットがあるから」ではないでしょうか?

例えば、今現状の太陽光発電システムは、通常の状況下で10年稼働すれば、売電収入で初期投資分(設置費用)はほぼ回収できる仕組みになっています。オール電化などとの組合わせたり、電力会社から購入分の電力(電気料金)を必要最小限に抑えるなど節電に取り組む努力をすることで売電収入も増えるので、10年といわずもっと短期間での回収も十分可能です。

さらに、太陽光パネルの寿命は約20年といわれているので、10年後以降は投資分を回収したあとの本当の意味での「利益」となるので、「太陽光発電投資」と考えることもできます。

もちろん上記のような、わかりやすい「金銭的」なメリットばかりではなく、エコやクリーンなど環境配慮や将来のための「意識の高い取り組み」として導入を決めた方々も多くいらっしゃると思います。

いずれにしても、基本的に損をしないシステムが出来上がっていて、エネルギー源である太陽光は日々無料で無限に降り注ぐことを考えれば、導入可能であればしない手はないのではないでしょうか?

住宅用太陽光発電の価格推移

一般住宅用太陽光発電システムの普及が進むのにともない、価格も低下傾向にあります。下記の太陽光発電システムの1kW当たりのシステム価格の推移をご覧くだい。

1kW当たりのシステム価格の推移
※出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2012」
1993年と2011年の1kW当たりのシステム価格を比較すると、この18年でおよそ7分の1ほどになっています。1993年の370万円から1994年の200万円と、たった1年で半額近くまで下がっているのは、1994年から国の補助金制度が始まったからです。また、上のデータにはありませんが、現在(2015年時点)では1kW当たりの価格は30~40万円台まで下がってきています。

ここまで太陽光発電システムが安くなったのには、メーカー各社の生産量の拡大や生産技術向上などの企業努力などももちろんありますが、実は次のような事情が大きく関係しています。

それは政府が国策として太陽光発電を普及させるために、「補助金」や「余剰電力の買取価格」、「給付条件」などをコントロールすることで、システムの実勢価格を低下させ、私たち消費者が導入しやすくなるよう意図的な調整を行っているからです。

今後もシステム自体の価格は少しずつ低下していくと思われますが、補助金の金額や余剰電力の買取価格や期間などの条件も、徐々に不利になる(下がる)ことが国策としてすでに決まっています。その理由は、早くから太陽光発電システムを導入した人達が後から導入した人達と比べて、長い目で見た場合の条件面で不利にならないための配慮からです。

つまり、早くから導入した人達は導入費用が高価だった分、補助金や余剰電力の買取価格、給付金などの回収面での条件が有利となり、後から導入する人達は導入費用は安く済みますが、補助金などの諸条件は不利となります。

今のところ早期導入者は「損」で、後期導入者は「得」という図式にはなっていません。むしろ、今後電気料金がますます上がったり、補助金や買取価格が下がることなどを考えると、前者が「得」で後者が「損」という図式になるかもしれません。